のんびりぬくい感じのぼやき

大学生です。日頃感じたことをダラダラと語ります。

クライム映画と津波。

こんばんは。

 

 

昨日今日と連日映画を観ていました。

「護られなかった者たちへ」「さがす」の2作品です。

どちらもクライム映画で、日本映画らしい作品でした。空気がジメジメしていて、どんよりとした雰囲気を纏っている感じですかね。テーマがテーマなので、おちゃらけた雰囲気ではありませんでした。「護られなかった者たちへ」は東北の震災とその後に起きた事件を描いた話で、「さがす」は失踪した父親を探す娘と連続殺人事件について描かれた話です。

 

私は基本的に洋画ばかり見ていて、日本映画は映画館に観に行ったりすることが余りないので新鮮でした。ミュージアムや羊の木のようなクライム映画は好きなので集中して見ることができました。ベラベラ思ったことを書こうと思います。この先の文に脈絡は特にありませんので、非常に読みづらいものになっています。あ、あんなシーンあったなくらいの気持ちで書いているので映画の内容が前後していると思います。長いので今日は護られなかった者たちへだけです。

 

以降ネタバレを含みます。解説ではありません。私の感想を幾つか書いています。

東北大震災の話が出てきます。気分を害する可能性があるので、無理だと判断した場合はすぐにお引き返しください。

 

 

 

 

 

  • 護られなかった者たちへ

先ずはざっくりとした映画の感想から。12年前の今頃、実際に起こった震災をテーマにした作品だったので見ていて精神的に辛くなってしまいました。私自身は関西に住んでいたので直接的な影響を受けたわけではないですが、当時の事を思い出して心臓がギュッとなりました。あとは映画に出てくる人物は皆引っかかる所のあるといいますか、鼻につく感じの人ばかりで見ているこちらまで「ムキー!」となってしまう様でした。でも今思うとあれは皆が皆、今を生きるのに必死で心の余裕がなかったことから出てきた人物像なのかなと思います。映画を見終えて、どこに感情をぶつければ良いのか分からなくなってしまいました。殺害された職員にも良いところはあったし、殺害した人にもそうせざるを得ない理由がありましたから。一概に誰かを責めるという事ができない作品でした。

 

半分自分語りです。

震災当時私は小学4年生で、調理実習を終えてみんなで後片付けをしている時でした。地元は震度1程度だったのですが、その日は親の迎えがないと帰れないというシステムになっていました。私は学童に通っていたので、親の迎えが基本的に遅い部類でした。教室で待っているうちにどんどんお迎えが来て友達が帰っていって、教室のテレビからニュースが只管に流れて。自分のところに津波がきたわけでもないのに、ニュースを見ていると親が死んでしまったような気がしていました。自分だけここに取り残されるんじゃないかとも感じました。その後ちゃんと迎えにきてくれましたが。

 

人が波に飲まれるような映像が流れて、「逃げて」と叫ぶ人たちと必死に波から逃れようと走る人たちが映って、避難所に入りきらない人たちが映されて、家の屋根に立って「助けてください」とヘリに向かって叫ぶ様子が映って、その理由は分かりたくないけれど泣き叫ぶ声がテレビから流れて。本当に異様な状況でした。齢10ながらにして同じ日本でこんなことが起こっているのかと現実味があるようでない、ないようである感覚でした。

 

護られなかった者たちへには小学生の女の子が出てきます。丁度当時の私くらいの年齢の女の子です。津波で身寄りがなくなって避難所で一人ぼっちで教室の隅にいる子です。もし私が東北の生まれだったら、同じ状況になっていたかも知れないとふと考えました。経験した人にしか本当の苦しみは分からないことを重々承知の上で、自分がその女の子だったらと考えるだけで寂しさや辛さで押し潰される感じがします。

その後近所に住むお婆さんともう1人避難所で一緒になった青年と3人で数日を過ごすのですが、布団の中で女の子が「生きていて良いのいか」と泣き出してしまったシーンが一番辛かったです。女の子に釣られて青年も泣き出してしまいますが、お婆さんが2人を「笑って?」と抱きしめます。肉親はいなくなってしまったけれど、お婆さんと青年と3人でご飯を食べて笑うことが出来たことがせめてもの救いだなと感じました。

 

その後復興が進みつつある中で、お婆さんが生活保護を申請しようとするシーンで役場の職員が見下している感じがしてもの凄く嫌でした。申請数を増やしたくないのか「ま、申請は取り下げもできますよぉ?」という感じでお婆さんの躊躇いにつけ込んでいる様な奴でした。お婆さんが生活保護を受けられずに餓死してしまった時、青年がその職員に抗議しに行くのですが「今の時代、死ぬときは1人なんですよ」と煽ったりもしていました。この職員達は結局殺害されてしまうのですが、最初のうちは清清したわ!と感じていました。でも後にその職員が被災した他人の墓地を1人で修復する映像が流れたり、その背景が分かってくると「この職員も当時は余裕が無くて、生きることに必死だったんだろうな」と思いが変わりました。まあだからって一市民に酷い事を言って良い訳ではありませんが。

 

全てが良いことはないし、全てが悪いことはないと感じられる作品でした。観ているうちに様々な思いが押し寄せてきます。複雑な状況が絡み合ってその人の言動が生み出されていることに改めて気付かされました。そして津波の恐ろしさにも。一瞬にして数万人、数十万人の生活や命を奪っていきました。私たち人間はそれに抗う事ができません。

 

ついでになってしまいますが、お婆さんが死に際に襖に書き残した文字を見て呆然とするシーンと青年が女の子を守ろうとする理由にはこちらも泣いてしまいそうでした。気になる方は観てみてください。

 

movies.shochiku.co.jp

 

アマゾンプライムビデオはこちらから。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09ZPW8F3Q/ref=atv_dp_share_cu_r

 

映画の感想というよりかなりの自分語りになってしまいました。結局事件の話もあまり出来ていないですし、主人公の刑事なんて1回も出てきませんでしたね。これ以上書くと長くなりすぎると思い端折りました。でも何か心に引っ掛かる映画だったなと本当に思います。原作とはストーリーが少し違う様なので読んでみようかなと思います。それと、地元は南海トラフで真っ先に飲み込まれる場所にあるので今一度防災について見直したいと思います。

 

みなさんも防災の関連事項は定期的に確認してくださいね。

 

それでは。